今日は津田塾大学千駄ヶ谷キャンパスで開催された WOMAN&TOKYO 国際女性デーシンポジウム に出席してきました。2030年に向けて活躍する女性をエンカレッジすることをテーマに、第1部「働く」第2部「装う」第3部「恋をする」の3部構成でおこなわれました。

第1部「働く」では、津田塾大学学長 高橋裕子氏とスープストックトーキョー取締役 江澤身和氏によるパネルディスカッションが行なわれ、お二人が今の仕事に就くまでのライフキャリアの軌跡と、今まで困難をどう乗り越えていらしたか等、興味深いお話を伺うことができました。

津田塾大学 高橋学長は、当時学ばれた津田塾大学の教師の方々が自身のロールモデルとなって、将来は「熱心に人を育てることに情熱を注きたい」と思われて研究者を目指すようになられたそうです。困難な時は「今は低空飛行で良いから、その時に学べること、出来ることをやってみる」そんな想いで過ごされたそうです。また、常に本心で語りあい想いを共有できる同僚教員が居てくれたことが心の支えになったとお話しして下さいました。

一方、スープストックトーキョウー取締役 江澤さんは、1981年生まれの若手。短大卒業後、特にやりたいこともなく就職せずにスープストックトーキョウーでアルバイトで働き始めたことがきっかけだったそうです。30才で整体師になられたお父様の影響で、やりたいことは30才ぐらいまでに見つかれば良いと思っておられたそうです。挫折感を味わって自分にはこの仕事はあっていない辞めようと思った時に、社長から「合うか合わないかは自分で決めるのではない。貴方にこの仕事は合っている」と言って頂いたことで、自分への思い込みから解放されて、よしやってみようと踏みとどまることができたそうです。

お二人とも大学・短大を卒業後は、多くの同級生が歩むのとは違う方向に進まれ、ご自身のペースでキャリアを切り開いて来られ、周りからの励ましや支援があって今のお仕事をされていらっしゃいました。

日本では大学を卒業すると即就職という風潮ですが、自身のキャリアを長期的な展望で考えていくと皆が同じ方向に進む必要もないですし、それが必ずしも良いとも限りません。多様性の時代です。

自分のキャリアは自分で選択する。自分らしく生きる。これからの時代は主体的にキャリアを構築していく。そのためには、やはり自己理解を深める、深めるために色々やってみる、そうしているうちに偶然の出来事が自分の人生に大きな影響を与えて行く。憧れとなるロールモデルの存在が生きる原動力となっていく。

お二人からの最後のメッセージは『昇進の機会があったら登ってみる。そして今までとは違った風景を見てみる。変革を担う女性になる。』今日もまた沢山の学びがありました。

現在企業の中で女性管理職率は6%と低い数値です。また男女含め日本全体としても管理職になりたくない傾向が高まっており、厚生労働省 労働経済白書によると「管理職以上に昇進したいと思わない」が61.1%で、「管理職に以上に昇進したい」は38.9%という結果になったそうです。昇進を望まない理由(複数回答)では、「責任が重くなる」が71.3%、「業務量が増え、長時間労働になる」が65.8%、「現在の職務内容で働き続けたい」と「部下を管理・指導できる自信がない」が57.7%と続いています。

管理職になってみたいと思わせる仕組み作りを経営者側も「働き方改革」の中で考えていく必要がありそうです。憧れの上司の存在、やる気になる条件、教育の機会、啓発的支援 などなど。次世代リーダーの育成や支援もまた私達の仕事です。